よしぶきギャラリー愉楽

龍爪梅花皮

(りゅうそうかいらぎ)

岩崎政雄は、比良山系に抱かれ琵琶湖を望む近江の地に、1995年、京から窯を移し『日ノ出窯』と名付け、新たな作陶を始めました。

数百年の歴史を持つ井戸茶碗の特色の一つと言い伝えられている土と釉薬を高温で焼く際、偶然に細かなちぢれが現れる梅花皮(かいらぎ)。

岩崎は、従来の梅花皮を作陶する中で、今迄とは異なる力強い梅花皮を生み出しました。

湖西は殊のほか雨が多く、比良山の稜線に降り注ぐ雨と稲妻、天を裂き、湖に挑むように突き刺さる光線を目の当りににし、その様にあたかも雨で煙る空を龍の爪で引っ掻いた力強さを感じ、試行錯誤の末、艶やかな乳白の肌に焦茶の大胆な縮れ文様を表現し、品格と迫力を携えた梅花皮の制作を始め『龍爪梅花皮(りゅうそうかいらぎ)』と名付け、他に類を見ない岩崎独自の手法とし、現在に至っています。

岩崎政雄について

岩崎政雄の代表的な作風である梅花皮は、釉薬と巧みな技法で制作する個性的な作品で長年の作陶史から多くのものを削ぎ、偶然と必然から生まれた岩崎独自の『龍爪梅花皮(りゅうそうかいらぎ)』と 呼ばれます。
毎日の暮らしの中で花を活け料理を盛り、飾るだけの器ではなく、人々に寄り添い洗練された器としてお使い戴けますよう、これからも用の美であり続けたいと思っています。

【 陶歴 】
1952年 埼玉県児玉郡生まれ
1995年 滋賀県大津市木戸に築窯
1975年 京都府宇治市炭山にて独立
1971年 京都府宇治市炭山工芸村
河島浩三氏に師事
1980年 京都府宇治市西笠取に築窯
以後、独自の日常食器の制作に励む
2008年 龍爪梅花皮の作陶を始める
2012年 黄檗山萬福寺にて個展
2016年 祇園ギャラリー空・鍵屋にて個展
以後、各地で年数回の個展を開催
2016年 京都工芸繊維大学 伝統みらい教育研究センターと共同で龍爪梅花皮の模様の不思議を科学的に解析を始める
2017年 日本機械学会「ワインの涙の秘密」
日本材料学会「梅花皮焼の器に現れるワインの涙」研究発表

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